JR東海とJR東日本は令和2年4月1日、今後の業務提携について発表した。

昨今の新型コロナウィルスの影響で、インバウンド需要や国内旅行者の大幅な減少が問題になっている。

過去より兄弟喧嘩状態の両社だが、現状のままでは共倒れに成りかねないと危機感を募らせた。
発表の詳細を要約すると下記の通りである。

【新幹線の利用促進】

東海道新幹線と東北・上越新幹線への乗り継ぎ時、特急料金は合計距離で購入できる事とする。
現状は東西移動客が、東京駅以降在来線に流れてしまう為、新たな需要を掘り起こせると判断。

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これは国鉄時代でも無かったサービスであり、利用者にとってメリットが大きい。


【東海道在来線の利便性向上】

東海道線の相互直通運転を増やす。
現状も乗り入れを行ってはいるが、JR東海のサンライズ瀬戸・出雲の熱海-東京駅間の乗り入れ距離調整相殺の意味だけである。

今後JR東日本は東京方面からの下り方ダイヤを大幅に見直し、静岡行きへの直通列車を設定。
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沼津以西の普通グリーン車が復活する。

静岡方面乗り入れ列車の一部は、往年の急行東海号として運用される。
該当運用は、JR東海に乗り入れ実績のある185系電車を活用する。
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この電車は国鉄時代の製造であり、車両置き換えにて廃車予定であった。

また、東京方面からの平塚以降行きは全体的に削減される。

熱海-平塚同区間は日中に限れば、JR東日本の長大編成は持て余し気味である。
救済措置として、JR東海の浜松・静岡発の列車を平塚まで直通させる。
JR東海の短編成を活用することで、列車本数を減らさずに合理化が可能となる。

JR東海が今年2月に公表した在来線新型車両は、JR東日本との相互乗入れ対応がなされていた。 
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【両社過去の確執を乗り超えて】
両社の兄弟喧嘩と言うのは、新幹線東京駅乗入れ、同品川駅新設をめぐる痼りであった。
利用者無視の大問題として今に引き継がれている。
今回の関係改善がお互いにとって Win Win の関係であり、利用者にとってのサービス改善にも寄与している。

【今後の課題】
東京駅の新幹線ホーム共用化、新横浜駅の横浜線ホームへのアプローチと混雑改善、その他東海道新幹線、東北・上越新幹線の直通構想も検討中と言う。

【両社代表はどちらも東大OB】
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今回この様な大胆な業務提携が発案された理由は、両社の代表取締役社長が偶然にも東京大学OBであったことに尽きる。
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今日の発表に至るまで両社長は東大OBとして接触を試み、情報がリークされないよう細心の注意を払ったとされる。

【兆候があった】
実は目立たないところで両社の関係改善を見越したものがあった。

まずは新横浜駅における案内掲示表示である。
JR東日本の横浜線掲示とJR東海新幹線案内にも、青い二本ラインが描かれている。
これは東海道新幹線の車体帯であることは容易に判断できる。
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東海道新幹線の車体帯

続いてJR東日本の旅行商品名。
ふらっとグリーンが、ぷらっとグリーンとなっている。
JR東海ツアーズのぷらっと旅ロゴに合わせたようだ。
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【まとめ】
実に意欲的で顧客サービスに特化した嬉しい動きである。
きっかけが新型コロナウィルスによる経済的ダメージからであるが、災い転じて福となる様に願いたい。

★天下のご意見番
四月馬鹿ネタであるが、夢が沢山詰まった記事である。 JR兄弟が協調すれば実現可能であろうに、妄想に留めておくには実にもったいない事だ。